嗅覚の記憶
その昔、列車で陸続きの国を旅しました。
国境を越した駅に降り立ってまず感じたのは、香り、臭い?でした。
駅を賑わす人々がくわえタバコで歩く時代でしたから、まずその煙の臭いで国が変わったことを実感、それから聞こえる言葉や看板の文字が変わっていることに気がついたものです。
それから20数年後、同じように列車で数カ国を旅して回りましたが、駅の雑踏の臭いは気にならなくなっていました。
禁煙が普通になったことがあるのでしょう。
そしてかつてそれぞれの街が持っていた独特のにおいも消えていました。
ほどなく日本でもスメルハラスメントと言葉ができて、人も街も臭わなくなりました。

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