空前絶後

あちこちの国々から来た若者たちが学んでいた、北欧の語学学校に通っていたころの話です。

ある日の休憩時間、女生徒達が集い、お互い言葉が不自由なのにもかかわらず、贔屓の男性俳優ーアメリカ映画の某、ギリシア出身の某、とそれぞれが思い思いの名前を上げて、大変盛り上がっていました。

その中に当時の日本で大人気だったある俳優の名前がないので、ヨーロッパでは人気がないのかと不思議に思い、話に割り込みました。

「アランドロンはどうなの?」

一瞬、皆はシンとなりました。それから誰ともなくひとこと、「彼は別格」で一件落着。

そのアランドロンが亡くなりました。

『太陽がいっぱい』の永遠の美男ぶり、『ボルサリーノ』の永遠のダンディぶり。

不世出の俳優です。

合掌

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