ワクワクな真冬
国の北の方は北極圏という北国の首都に5年近く住んでいました。
日が沈まない夏の白夜とは正反対で、冬になると太陽は2〜3時間顔を覗かせる程度で薄暗い雪と氷の世界です。
寒さも厳しく、日中でも氷点下の日々が3月中旬まで続きます。
最初の冬は冷凍庫の中にいるようで、日本では温暖な地方で生まれ育った私には驚きの連続でした。
次の年の冬にはその寒さにも慣れ、雪と氷の世界の変化が楽しみになって来ました。
クリスマスを過ぎ新年を迎える頃になると、暗くグレーだった景色が少しづつ明るくなり、味わったことのないワクワク感に満たされました。
夏の緑と沈まない太陽のパラダイスは素晴らしいものですが、北の国の真冬はほとんど旅行者の姿もなく暗く淋しい景色です。でも私にとって心躍る季節なのでした。
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