学生たちの風呂事情

北欧の写真学校に学んでいた頃、住んでいたのは学生寮のひとつでした。

十階建てぐらいのアパート形式で、単身者用の部屋は20平米程度と狭く、シャワー、洗面台、トイレが付いているだけ、キッチンと風呂場は共用でした。

寮には大学や各種学校の学生や職員など、人種や国籍も様々な人がいました。

地下には色々な設備があり、浴槽付きの風呂場もそのひとつでした。

その風呂場の横には写真用の暗室がありました。暗室を使うのはほとんど私一人なのですが、隣の風呂場も使われている気配がありません。

そこで浴槽に水を張ってモノクロプリントの水洗いに使っていました。

その学生寮に住んだ二年半のあいだに一度もクレームはなく、どうやら北欧では学生がゆっくり風呂に浸かる習慣はなかったようでした。

私も風呂本来の使い方は一度もしませんでした。

写真作品はインスタグラムにもあげています。合わせてご覧いただければ幸いです。